伝説的経営者に学ぶ ー会社が急成長するロックフェラー式「黄金の習慣」ー

ただの集団 Advent Calendar 2020 の21日目の記事です。

今回は、

会社が急成長するロックフェラー式「黄金の習慣」

を読み、個人的に重要だと感じた箇所を要約してみました。

早速明日から活かせそうなことが多いので、是非参考にしていただけたら嬉しいです。

 

-------------以下要約--------------

 

  • 優れた企業を育てるのは優れた子供を育てるのと一緒

 

    • いくつかの規則を設ける
    • それを繰り返し言い聞かせる
    • 規則にしたがって行動を貫く(規則は多すぎないう方が望ましい)

 

 

  • ビジネスを成功に導く三つの習慣

 

    • 優先目標
      • 一年、および四半期の5つの優先目標と最優先目標を明確にしているか?そして全ての社員が会社の優先目標に即した個人の目標を持っているか?
    • データ
      • 日単位および週単位で、会社の業績や市場の動向を把握できるデータを収集しているか?また、社員ひとりひとりの働きぶりを何らかの数字に表しているか?
    • リズム
      • 定時の会議(毎日、毎週、毎月、毎四半期、毎年)というリズムによって、意思の統一を図ると共に責任の自覚を促しているか?能率的で、有益な会議を開いているか?

 

 

  • 「命運を分ける数字を把握する」

 

    • 組織を整えたり、システムを改めたりするそもそもの目的は、先を予想できるようにするため。常に命運を分ける数字を全社員が意識し浸透させることが肝要。また常に計算して命運を分ける数字を把握しておくことが現状を知るための第一歩となる。

 

 

  • 「社員を一つにまとめる5つの優先目標」

 

    • 多くの超成長企業で実践していることは、四半期毎に優先事項、五項目以内、を設定して、尚且つその中で最も優先される事柄をひとつ定めるという方法。それぞれ5つの優先目標、最優先目標とよぶ。
    • 四半期毎に設けた5つの優先目標と八項目の基本的価値とをラミネートカードに記して社員に持たせるなどの方法がある

 

 

  • 「リズムを生み出す会議を開く」

 

    • 実際に四半期目標を実現する上では情報をリズムよく全員に伝えて各自が責任を持って自分の役割を果たせるようにすることが重要となる。
    • 中でも簡単かつ効果的な方法の一つはミニ会議を毎日開くというやり方。毎日15分ほどグループ単位で集まって、現状を確認しあう。その際に、達成できた小目標があれば簡単にお祝いをして、上手く進んでいない点があればその原因を突き止める。ロックフェラーはこのような会議のリズムを19年間毎日保ち続けることによってスタンダード石油を築いた。

 

 

  • 「企業の成長を阻む三つの成長の壁」

 

    • リーダーシップ
      • 幹部の能力によって会社は左右される。会社の強さも弱さも元を辿れば全て、幹部。上手く連携を取れているか、経営手腕はあるか、相互に尊敬し合っているかなど、に起因する。とりわけ必要となる幹部の資質は先を読む能力と、適切な人材に仕事を任せる能力の二つ。先を読む能力は競争相手や社員よりも一歩先の未来が見えていれば良い。
      • 仕事を任せて失敗しないためには何よりもまず適切な人材を選ぶこと。並の人間を3人集めるよりも優秀な人間を1人選ぶ。そして以下の4段階をふむ。
  1. 何を任せられるかを具体的に見極める
  2. 任せた業務の進捗状況を把握するため、監督体制を整える
  3. 監督結果を本人にフィードバックする
  4. 適宜、報奨を行う。
    • システムと組織
      • 組織整備は以下で説明する組織表を手掛かりに取り組むと良い。
      • 一つ目は責任者一覧を示す組織表。業務が滞ったり、組織内の連携が悪かったりするのは、往々にして、責任者が明確になっていない時。この責任者一覧表においては、全ての業務および損益計算書の全ての項目にてそれぞれ1人の責任者をおく。また、責任者一覧表において注意が必要なことは一切「未定」の欄を作らないこと。暫定的な責任者でも構わないので全ての欄に誰か1人の名前を書き入れる。
      • 二つ目は業務の流れを示す組織表。責任者一覧表だけでは組織内の相互関係を全て把握できないので主要な流れを表にまとめると良い。
    • 市場
      • 成長段階に応じて重点を置くべき点が異なる
      • スタートアップや収益100万ドル以下の企業なら、収益を増やすことが先決であるので、顧客獲得に重点的に取り組む。収益が100万ドルから1000万ドルの段階であれば収益を増やすことに加えて資金をどう確保するかが重要となる。一般的に企業はこの段階に最も急速に成長する。成長を持続にしにくくなるのは収益1000万ドルを超えてから。他社から競争相手として警戒され始めると共に顧客からは商品やサービスに対する値下げ圧力をうける。また組織の複雑化で収益の増加以上にコストが膨らむ。この段階では高付加価値の追求によって値下げを妨げられるかどうか、そして、組織の効率化によってコストの増大を抑えられるかどうかが事業運営の成否を分ける。収益5000万ドルを超えてからは正確に利益予想を立てられる経験と市場での地位とが必要となる。

 

 

  • 経営は以下の三点を確認することから始まる。

 

  1. 適切な人材を得ているか?
  2. 「正しいこと」を行っているか?
  3. それらを「正しく」行っているか?

 

 

  • 「優秀な幹部クラスの人材を探す方法」

 

    • 求人とは数のゲームであることを理解することが大切。
    • 優れた人材を獲得している会社を見てみるとたいてい応募者数が多く、応募者全体のレベルが高い。
    • 一般に一次選考で50名の優秀な応募者が必要。
    • 1人の優秀な人材を見つけたら、その人物のネットワークを頼りにすると良い。
    • まず自社に雇いたいと思う人物を知っていそうな人物の中から明日にでも電子メールで連絡を取れる者10名の名前を書き出す。そして必要としている人材とポストの種類を短い文章にまとめる。完成後、一人ひとりに電話をかけてメールを送りたい旨を伝える。1週間後にふさわしい人物を知っているかどうかを尋ねる。求人活動で大切なことは自社とそのビジョンを本気で売り込むこと
    • 選考の際に第一に見極める点はその人物が社風に合うかどうか。有能だとしても会社の基本的価値にそぐわないなら落とさざるを得ない。
    • 次に重要な点は前向きな考えからの持ち主であるかどうか。その他、実際の問題処理能力も試すべき。

 

 

  • 「正しいことを正しくやる」

 

    • 「正しいこと」の核となる問は「私の会社では存立可能な経済基盤を有しているか?今のやり方で金を儲けられるか?」ということ。顧客を引きつける商品やサービスがあるか?他社との差異化を図れるXファクターを持っているか?その分野でナンバーワンになれるか?
    • 「正しく」の核となる問は「経営慣行や管理形態に競争力は備わっているか?組織の規律は保たれているか?社員の力を十分に引き出せる組織構造になっているか?商品やサービス滞りなく提供する仕組みが整っているか?」
    • 「正しいこと」で求められるのは判断力のある強力なリーダーシップ
    • 「正しく」で求められるのは組織の規律や機能を保つ管理能力

 

 

  • 競争力を保つためには、以下の3つが必要

 

  1. 企業戦略を明確化するフレームワーク(枠組み作り)
  2. 戦略について話す時の社内共通の言葉
  3. フレームワークや言葉を頼りに常に戦略の達成状況を掴んでおく習慣

 

 

  • 戦略立案ピラミッドは実用的かつ印象的な表現で戦略を言葉に落としたツール

 

  1. 基本的価値:するべきこと、永久不変
  2. 目的:なぜ、リーダーの在任期間
  3. ターゲット(中期目標):どこへ、3〜5年毎
  4. ゴール(年間目標):何を、年ごと
  5. アクション(四半期目標):どのように、四半期ごと
  6. 段取り:いつ、週ごと
  7. 担当責任者:誰が、日ごと

  ※1から上にピラミッドを作成

 

 

  • 基本的価値

 

    • 繰り返し同じことを言い続けて基本的価値を浸透させることが何よりも大事
    • 大事なのはどのような基本的価値を持っているかではなく、基本的価値を持っていること
    • 一番苦労するのは、繰り返し言って聞かせられるか、一貫してその価値を守れるか、ということ
    • 基本的価値を根付かせることができる8つの方法
  1. 会社のエピソードを面白く話す(基本的価値に因んだエピソードを話す)
  2. 求人と採用(基本的価値を基準とした採用)
  3. 新人研修(基本的価値を前提とした研修)
  4. 業績評価(基本的価値を基準にした評価)
  5. 表彰と報奨(基本的価値を基準とした表彰)
  6. 社内報(基本的価値を実践している人の紹介)
  7. テーマ(四半期や1年ごとの目標との関連付け)
  8. 日常業務の中で何かの判断を下す時に基本的価値と関連付け

 

 

  • 優先目標

 

    • 5つの優先目標と最優先目標のための環境整備
      • 会社の5つの優先目標、最優先目標が決まったのち、幹部1人1人に各自の5つの優先目標と最優先目標を決めさせる。さらにそのしたの上層部の社員から末端の社員まで行うことでまとまりを産む
      • 5つの優先目標と最優先目標を見極める作業は苦しくなければ嘘。苦もなくできた場合は本当にその優先目標が適切なのかを疑った方がいい。現実を直視して初めて会社の弱点が見えてくる。その弱点を克服することこそ、正しい最優先目標である

 

 

  • 四半期ごとのテーマ

 

    • 優先目標と命運を分ける数字を元にテーマを決める
    • テーマは数値目標と結びついてこそ役に立つ物となる
      • 進捗状況を可視化し成績をつける
      • 報奨とお祝いで喜びを分かち合う
      • 四半期のテーマを成功させるには、何よりも社員の心に訴えなくてはいけない。社員の心を動かせて初めて、大きな成功も可能になる。

 

 

  • 問題解決のための6つの注意事項

 

  1. 重要度
    • その問題は本当に気に掛けるべきことか?重要度の高い問題か?

      2. 具体性

    • 誰が、何を、いつ、どこで、どのように、なぜ

      3. 根元を断つ

    • 症状の緩和ではなく、病気そのものの治療を行う

      4. 誰、ではなく、何、に目を向ける

    • 問題点を探すのであって、犯人を探すのではない

      5. 関係者全員を集める

    • 10人に1人ずつ話を聞くよりも、10人を同じ部屋に集めて話を聞く方が問題の全体像を掴みやすい

      6. 陰口の禁止

    • 本人のいないところでは、否定的な発言は一切控えなくてはいけない

 

 

  • 会議を正しく開く会社が成功する

 

    • リズムのある会社は、いずれは成功を収める
      • 会議を一定の間隔できちんと開いている会社がいずれは成功を収める
      • 成長のスピードを増すにつれて、会議の頻度を増やすということ
      • 大きな会議で決めた目標の実現には、小さな会議による後押しが欠かせない。
      • 幹部は毎日、毎週、顔を揃えて、戦略や懸念事項について話し合う必要がある。
      • 会社の成長に合わせて、会議のリズムは早くするべき
      • 急成長企業は5分ないしは10分程度の会議を何らかの単位集団ごとに毎日開いて全社員がいずれかの会議に必ず参加するようにすべき
    • 会議を実りある物にするコツ
      • 時間:少し変則的な開始時刻にすると良い。例えば毎日午前8時8分開始など。また会議への参加はいかなる理由があろうとも絶対とし、終了時刻も厳格に守る。
      • 場所:座ったまま行うのはまずい。立ったままか、軽く腰掛ける程度にして短時間で会議を切り上げられるようにする
      • 出席者:多ければ多いほど良い、が原則。
      • 会議の進行役:真面目で段取りの上手な人間に任せる。
      • 議題:取り上げる議題は、その日の出来事、成績、突き当たっている壁、の3点に限定する。最初の5分で各自が出来事の報告を行う。持ち時間は最長で30秒。次に出席者全員で指標の確認を行う。最後に突き当たっている壁。ここで不安や苦心を口にすることが重要。また2日続けて壁を報告しない物がいたらその人は真剣に仕事をしていない可能性が高いため詳細あな調査が必要となる
    • 毎週の会議のやり方
      • 毎週の会議では、問題を討議して、戦略を探ることに重点がおかれる。毎日の会議で問題を整理していないと毎週の会議では混乱をきたしてしまうため注意が必要
      • アジェンダ
        • 最初に明るい話題(5〜10分)
        • 数字(5〜10分)
        • 問題点の抽出(10分)
        • 一つの問題絞って討議(10〜30分)
        • 結びのコメント:最後に1人一言ずつ会議の感想を述べる時間を設ける
    • 毎月の会議は戦略立案の場
      • 中層部以上の管理職を全て召集する。意思の統一を図り、幹部育成の機会とする。

 

 

  • ブランドの約束(自社のセールスポイント発見)

 

    • 大目標を描く
      • 社運を賭けた大胆な目標を設定する。十年、二十年後の目標を指す。 
      • 例えば、ナイキの当初目標は「アディダスを打ち破る」。スターバックスは「コカコーラを凌ぐブランドになる」
      • 大目標はブランドの約束を考える上での土台となる。
    • 参入領域を決める
      • 今後三年から五年にどこまで会社を大きくしたいかを明確にする。どういう顧客に商品やサービスを売っていきたいか?あえて相手にしなくて良い顧客はいるか?
      • 最後に何種類の商品やサービスを手掛けられるのか検討する。
    • 顧客のニーズを見極める
      • 参入領域が決まったら、顧客が何を一番必要としているかを見極める。何を欲しているのかではない点に注意する。どうしてもなくてはならない物を見つけることが肝要。 
    • 測定できる約束にする
      • たやすく果たせる約束では意味がない。多少きつい約束にするべき。
      • ブランドの約束は広告文ではない。顧客の信頼を得るために何をすべきを考えることが本質にある。
    • ブランドの約束は企業の命運を分ける重要な物。あらゆる戦略決定の基準にもなる。